【読了】山崎元著「一生、同じ会社で働きますか?」雑感~転職を通じたセミリタイアという戦略はアリか~
山崎元氏といえば、インデックスファンドやETFを中心としたほったらかし投資や、節税を活用とした確定拠出年金のイメージが強いと思います。
しかし、山崎元氏のもう一つの素顔として、転職を12回も繰り返しているという職歴があります。
そして、なぜ今回転職本なのかという文脈で読むとその中で見えてくる山崎元氏の素顔としては、驚くほど一貫していると感じました。
目次
転職の仕方は、働く個人の全てが知っておく方がいい「ビジネスの基礎知識」だ
この本によると、かつての転職は、「裏切り者」だの、「欠員の補充でしかない」だの、
そんなイメージがあったようです。
しかし、この本では、アメリカなどでは転職を通じてキャリアアップを図る人がいることが常識になっていることや、
近年の転職組に対して、仕事ができればどんどん人材として活用していくことが会社にとってもメリットだという方向に変わってきているというような文章を書いています。
また、新卒一括採用でのミスマッチや、3年働いた後に自分の適性などを踏まえステージを変える選択肢として、
転職は当然選択肢として入ってくると思います。
そして、今は情報も入手しやすく、当たり前に転職が行われているとのことです
「時間」・「お金」・「自由」は転職で交換できる
転職により、「時間」・「お金」・「自由」の配分をリバランスすることができると著者は説きます。
我々ミニマリストとしては、「お金」という資本は基本的には貯金していくことを前提としていて、
さらに、「投資」によって資産を増やしています。
つまり、若いときにマネーリテラシーを高めれば、転職によるリバランスの選択肢により、戦うフィールドを変えることが可能です。
完全アーリーリタイアという選択肢でなく、会社の中で働かないことを主体的に選択していく「セミリタイア」という選択肢があることがわかってきます。
アーリーリタイアしなくていい~セミリタイアの場所を探しておこう~
ミニマリストになって会社員をしていると、「お金」は貯まりますが、「自由」はシュリンクしていきがちです。
その中で、お金が貯まってきて、株や副業の収益が上がってくると、世界が変わってきます。
そこで、転職の技術・作法を理解しておくと、武器として必要に応じ保持することが出来ます。
セミリタイアが出来る場合とはどういう場合なのでしょうか?
システムエンジニアの例
システムインテグレーションの世界では、転職できる業界は基本的にテンプレです。
社内SE:異業種に転職できます。仕事もまったり。ただし給料は低めです。社内の事業に対する課題解決を主としたシステム企画・調整、レガシーシステムの保守運用など多岐にわたります。
コンサル:プログラミングよりも上流である、課題解決で飯を食ってる業界です。人月単価が高いため給料は高いが激務です。野村総研、アクセンチュアなどが代表的です。
SIer:受諾型ITです。プラミッド構造をしていて、上流の会社に行かないと給料は低く激務です。あと、お客さんは外の会社なので、納期のプレッシャーが大きいです。
Webベンチャー:プログラミングが出来る人は無双できる業界です
こういった業界特有の歪みがあるため、
業種を超える転職は20代までね
社内SEに行く場合、異業種への転職なので、やはり若いときのが有利そうです。
同業種への転職というと、会社内の居場所とか人間関係的な意味合いが強そうです。
目的によって、転職という選択で可能になるもの、可能にならないものがあるので、戦略的に行動しなければなりません。
転職では評価されるスキルはだいたい決められたスキルです
では、転職する前に何を考えておくべきでしょうか。
それはスキルです。転職で評価されるスキルとはなんでしょうか。
たとえば、資格は予想以上に評価されません。
それよりも、その会社の中でどういう経験・実績を上げてきたかの方が10倍大事です。
また、その仕事で生かせるスキルであることを説明出来ないといけません。
自分の中で求人を分析すれば、おのずと高めるべきスキルが見えてきます。
また、転職での年収は、前職での年収と、面接での評価で決まります。新卒採用のように一律ではありません。
まとめ
山崎元氏は、確定拠出年金などについても、自分が転職したからこそ理解していると思いました。
さらに、
アーリーリタイアを考えるまでもなく、
セミリタイアみたいな選択肢が増えてくる可能性があります。
そしてそれは情報として常に握っておくべき話であるし、
ビジネスマンとして、自分が好きに生きていくためとしても、
もっておいた方が良いスキルだと思います。
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