【要約】【書評】「SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル -フリーで身を立てる方法から、恋人の作り方まで-」 第1部 キャリアを築こう

【要約】【書評】「SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル  -フリーで身を立てる方法から、恋人の作り方まで-」 第1部 キャリアを築こう

ITエンジニア向けの本だが、ほとんど技術的な話が出てこないにも関わらず、話題になった本がある。
「ソフトウェア開発者の人生マニュアル フリーで身を立てる方法から、恋人の作り方まで」という本だ。

 

日本社会では、ITエンジニアのほとんどがベンダーに属し、会社から給料をもらうことで生活し、
自分で自分のブランドを作ったり、マーケティングを行うことは少ないと思う。

また、デスクワークという特性があることから肥満体質の層も多いことが特徴だ。

本書を読むことで、ITエンジニアが自分自身に対しブランドを付けることをせず、会社からお給料を与えられ、ほとんどの人が会社にしがみつくだけで終わる人生から、自分自身でキャリアをマネジメント出来るようになれる、iTエンジニア界隈でも珍しい本だと思う。

最近は副業や転職が珍しくなくなってきたと言われてきたが、この本はまさに、ITエンジニアが、単なるスキルにとどまらず、総合的なエンジニアとして自立をめざすのにノウハウが詰まった一冊だ。

「SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル」の概要

「SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル」は、ITエンジニア向けの本だが、技術的な内容はそんなに多く載っているわけではない。本の概要を見てみよう。

ソフトウエア開発者専用に、「より良い人生」を送るためのノウハウ・スキルを網羅した、生き方バイブル本です。プログラマーが良い人生を送るためには、技術習得法やキャリア構築法といったノウハウに加え、対人的な交渉・指導・意思疎通などをうまく行える能力や知恵、すなわちソフトスキルが不可欠です!本書では、キャリアの築き方、自分の売り込み方、技術習得法、生産性の高め方といった仕事で成功する方法だけでなく、財産の築き方、心身の鍛え方、恋愛で成功する方法など、「人生全般をより良く生きる方法」を具体的に説明します。
■序文から抜粋
あなたがこの複雑な産業で活路を開こうとしている若いソフトウェア開発者なら、今手にしているこの本は、多くの知恵と優れたアドバイスを与えてくれるはずだ。
ロバート・C・マーティン(アンクル・ボブ)
■「解説」から抜粋
本書はソフトウェア技術者向けの書籍ではありますが、いわゆるテクノロジーのことはほとんど書いてありません。しかし、「成功者」になるために必要なそれ以外の多くのことが書いてあります。(中略)今こそ私たちがもっと成功に貪欲になれるチャンスなのではないでしょうか。
■「訳者あとがき」から抜粋
全体を読み通して感じたのは、人の弱さを十分に意識して書かれていること、率直であ
ること、上からではなく同じ高さから話しかけてくることでした。(中略)校正のために読み返してみると、株や栄養や腹筋のことなど、「何かで読んだんだけどさあ」という枕で出てくるような話の多くを本書で覚えたことに気づきました。無意識のうちにいろいろな影響を受けているようです。この本、ただものではないですよ。

引用:https://amzn.to/2IA5dK5

この本は、見てわかるように、ITスキルを鍛える本ではなく、ITエンジニアとしてのキャリアを考え、マネジメントしていく本だ。

「SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル」の著者について

著者はジョン・ソンメズ氏。
アメリカで「Simple Programmer」というサイトを運営している。エンジニアになりたい・フリーランスに転向したいといった人に役立つ情報を配信しているようだ。
twitterも以下に記載しておく。

本人。19歳から働き始め、一時期はヒューレット・パッカードなどでも働いていたエンジニアであったようだ。
この本は、本人が働く上で、エンジニアスキル以外にも大事なソフトスキルに気づき、それを自ら実践することで、33歳という若さで引退

本著にあるようなソフトスキルの重要性に気付き、自ら実践することで、33歳という若さで引退(彼の言う「引退」とは、時間とお金に縛られない自由な生活を送ることだそう)している。

「SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル」の目次

ここでは、SOFT SKILLSの目次を見てみよう。

テーマは以下で構成されている

  1. キャリア
  2. マーケティング
  3. 学習
  4. 生産性
  5. お金
  6. 健康
  7. 精神

これらは、ITエンジニアがITスキルだけでない、総合力を身につけることが大事だと主張する著者の重要テーマだ。
以下で見てみよう。たくさんの話題に触れていることがわかる。

はじめに

第1章 あなたが読んだどの本とも「この本」が違う理由

第1部 キャリアを築こう

第2章 スタートから派手にいこう!:誰もがするようなことはするな
第3章 未来について考える:あなたの目標は何?
第4章 社交術:考えている以上のものが必要だ
第5章 面接をハッキングするコツ
第6章 雇用形態:三つの選択肢を理解する
第7章 あなたはどのタイプのソフトウェア開発者か
第8章 「どの会社も同じ」ではない
第9章 出世階段の上り方
第10章 プロであること1
第11章 自由を得る:仕事の辞め方
第12章 フリーランサー:外に出て独立する
第13章 初めての製品開発
第14章 スタートアップを起業したい場合
第15章 遠隔勤務サバイバル戦略
第16章 うまくやり遂げるまではできたふりをしよう
第17章 ダメな履歴書をよくする方法
第18章 テクノロジーに対して頑なな態度を取るな

第2部 自分を売り込め!

第19章 コードモンキーのためのマーケティング基礎講座
第20章 自分だと気づいてもらえるブランドを確立しよう
第21章 大成功するブログの作り方
第22章 最大の目標:他人のために価値を生み出せ!
第23章 ソーシャルメディアの使い方
第24章 講演、プレゼンテーション、講師:しゃべるギーク
第25章 フォロワーを引きつける本や記事を書く
第26章 バカにされるのを恐れる

第3部 学ぶことを学ぼう

第27章 学び方を学ぶ:独学の方法
第28章 私の10 ステッププロセス
第29章 ステップ1~6:1度限りのステップ
第30章 ステップ7~10:繰り返すステップ
第31章 メンターを探す:あなたのヨーダを見つける
第32章 弟子をとる:ヨーダになる
第33章 教える:学びたいなら教えよう
第34章 学位は必要か、なしで済ませられるか
第35章 知識のなかの隙間を見つける

第4部 生産性を高めよう

第36章 すべては集中から始まる
第37章 私の生産性向上策を明かそう
第38章 ポモドーロテクニック
第39章 以前よりも安定して多くの仕事ができるワケ
第40章 自分自身に対して責任を取る
第41章 マルチタスク、やっていいこと、悪いこと
第42章 燃え尽き症候群の治し方
第43章 時間を浪費するメカニズム
第44章 ルーチンを持つことの重要性
第45章 習慣を作る:コードを磨こう
第46章 ブレイクダウン: 先延ばしを克服する方法
第47章 ハードワーク:その価値とできないワケ
第48章 どんなことでも、しないよりした方がまし

第5部 お金に強くなろう

第49章 給料をどのように運用するか
第50章 給与交渉の方法
第51章 オプション取引:どこが面白いの
第52章 不動産投資の基礎
第53章 引退計画を本当に理解できているか
第54章 借金の危険性
第55章 打ち明け話:私が33 歳で引退できた理由

第6部 やっぱり、体が大事

第56章 なぜ健康をハックする必要があるのか
第57章 フィットネスの目標の設定
第58章 熱力学、カロリーと人間
第59章 モチベーションを高める
第60章 筋肉のつけ方:オタクでも膨らむ上腕二頭筋
第61章 ハッシュテーブル型腹筋のつけ方
第62章 ランニングプログラムの実行法
第63章 立ち机などの数々の小技
第64章 フィットネスのためのオタク向けテクニカル製品

第7部 負けない心を鍛えよう

第65章 心は身体にどのようにして影響を与えるか
第66章 正しい心構えを持つ:リブートしよう
第67章 プラスの自己イメージを築く:脳をプログラミングする
第68章 恋愛と人間関係:コンピューターはあなたの手を握れない
第69章 私の成功本リスト
第70章 失敗に正面からぶつかれ
第71章 別れの言葉

付録

付録A  コードを書けるなら金融は理解できる
付録B  株式市場の仕組み
付録C  食事と栄養の基礎:ガラクタを入れればガラクタが出てくる
付録D  健康な食事の方法:ピザは食品群ではない

あとがき

謝辞
訳者あとがき
解説 まつもと ゆきひろ(Matz)

要約・まとめ(触りだけ)

この章では、本書の前半を要約してみる。
最初の章をみるたけでもわくわくしてくるので見ていただきたい。

はじめに

第1章 あなたが読んだどの本とも「この本」が違う理由

「ソフトウェア開発者の人生マニュアル」とは何か。ここで簡単に答えておく。それは以下である。

  • ソフトウェア開発業界で評価を築くための手順を教えると同時に、肉体的、知的、精神的により協力で健康になるための方法を教えてくれる本

さらに詳しくいうと、この本にはたとえば以下のようなことが書かれている。

  • 面接をハックし、最高の履歴書を書くための方法
  • 大成功を収めるブログの作成方法
  • 個人ブランドの構築方法
  • 学習能力や生産性を大幅に引き上げる都ともに燃え尽き症候群に対処する方法
  • 不動産投資のやり方
  • 体重の減らし方
  • 特別な人と出会う方法

つまり、「よりよい開発者になる方法をまとめて教えてくれる本」を作り、伝えたかったから、ソフトウェア開発者としての貴方の旅路を少しはらくにできるように、あなたがよりよいバージョンになることを支援できるように、そして何より、あなたが人生で孤独だと感じなくて済むようにするためだ。

 

私がこの本で言う「良いソフトウェア開発者」は、

  • コードの書き方
  • 問題の解き方
  • ユニットテストの作り方がうまい人

ではなく、

  • キャリアのマネジメント
  • 目標の達成
  • 人生の楽しみ方

という意味で言っている。

また、この本は、「あなたに何ができるか」についての本ではなく、「あなた」についての本だ。それはたとえば以下である

  • あなたのキャリア
  • あなたの生活
  • あなたの心と身体
  • あなたの魂

私はソフトウェアに対する「総合的な」アプローチを支持する。
つまり、よりよいソフトウェア開発者になりたいなら、人生におけるひとつ、二つの領域でなく、「ひとりの人間として全体をとらえる」必要があると考えている。

本書は、ソフトウェア開発者の生活の様々な側面に一つずつ注目していくために、全7部で構成されている。具体的には、以下である

  1. キャリア
  2. マーケティング
  3. 学習
  4. 生産性
  5. お金
  6. 健康
  7. 精神

最重要領域であるキャリアから始めるが、これは、たとえば人によりだが以下のような目標があると思う。

  1. 会社の出世街道を行く
  2. 独立してコンサルタントとして生計を立てる
  3. アントプレナー(起業家)になって自分の製品を作る

本書で、私の経験から、失敗談含め、貴方の求めているキャリアの違いによらない重要なスキルキャリアを積極的にマネジメントするにはどうすれば良いかについて知恵を伝授する。

マーケティングでは、以下のようなスキルについて実践的なアドバイスを送る

  1. パーソナルブランドを築く方法
  2. ブログを成功させる方法
  3. 講演・指導・執筆などを通じて名前を売る方法
  4. あなたがおそらく今まで考えたことないだろうと思われるその他の方法

キャリアの問題が片付いたら、次は知識の領域として、「学ぶことを学ぼう」へと進む。
ここでは、私が自分のキャリアを通じて開発した「10ステップの独学プロセス」を紹介する。また、

  • メンターの見つけ方
  • メンターになること
  • 成功するために伝統的な教育や学位が必要か

といったテーマにも触れる。

次に「生産性を高めよう」では、編み出した「トップスピードでハイウェイに突っ込んでいけるシステム」や、また、

  • 燃え尽き症候群
  • テレビの見過ぎ
  • モチベーションの見つけ方
  • 昔ながらのハードワークのやり方

といった難しいテーマにも取り組む

次に「お金に強くなろう」では、将来のための資産運用を立案するために知っておかなければならない基礎を身につけてもらおう。具体的には以下のようなことである

  • 収入を管理する方法の基礎
  • 株式市場の本当の仕組み
  • 不動産投資のやり方
  • 借金の防ぎ方

続いて、第6部では、「やっぱり、体が大事」という、脂肪を落として筋肉をつけ、丈夫になるために必要な事柄をすべて取り上げる。具体的には以下である。

  • 食事と栄養の基礎
  • 食事が身体に及ぼす影響
  • 体重を落とし、筋肉をつけ、あるいはその両方をてにいれるためのフィットネスプラン

最後に「負けない心を鍛えよう」では、精神状態や態度に影響を与えるテーマについて触れる。また、以下のような内容にも触れる

  • 技術者が苦手とする愛や人間関係
  • 成功をつかむためのブックリスト

第1部 キャリアを築こう

第2章 スタートから派手にいこう!:誰もがするようなことはするな

執筆中

まとめ

今回は「SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル」の概要に触れてみました。

ITエンジニアはITスキルに最も興味を持つかもしれませんが、上記のような内容で足下をすくわれてしまう人が多いと思っています。

是非、読みたくなったら購入して読んでみてください。

 

よかったら記事をシェア&フォローお願いします!!